ファーストビューを作り込み、フォームのEFO(入力フォーム最適化)を整え、PASONAの法則で構成も磨いた。それでも「次はどこからABテストを始めればいいのか」で手が止まっていないでしょうか。検証の優先順位を決める鍵は、「診断結果としての影響度」と「実装のしやすさ」という2つの軸です。この記事では、LPのABテストで検証すべき項目の優先順位の考え方と、アクセス数が少ないLPでも回せる簡易的な検証方法を解説します。
- LPのABテストで検証すべき項目の優先順位は「ファーストビュー→フォーム→構成」が基本、自社の診断結果次第で入れ替えも可
- CVRへのインパクトが大きく、実装コストが低い箇所から検証するのが効率的だから
- まず自社LPの離脱要因を洗い出し、2軸マトリクスで検証項目を1つに絞り込む
相馬 純 / WEBマーケティングコンサルタント
WEBマーケティング歴15年・SEO対策歴15年。日本最難関キーワードでの検索1位獲得実績を持つ、マーケティングのプロフェッショナル。
LPのABテストで「順番」が重要な理由|同時に全部を検証してはいけない
ABテストは「思いついた順」ではなく「決めた順」に一つずつ進めるのが基本です。複数の項目が見つかっても、焦って一気に変えないことが重要です。
ABテストとは|30秒で分かる基本のおさらい
ABテストとは、現在のページ(パターンA)と一部を変更したページ(パターンB)を同条件で比較し、CVR(コンバージョン率)で優劣を判断する検証手法です。感覚ではなく行動データで改善できる点が特徴です。
複数箇所を同時に変えると「何が効いたか」が分からなくなる(1テスト1変数の原則)
ABテストの基本原則は「1回のテストで変える要素は1つに絞る」ことです。複数箇所を同時に変えてしまうと、CVRが変化しても何が効いたのかを切り分けられなくなります。効果の理由が分からなければ、次の施策に再現性のある学びを持ち越せません。
LPを作り込んだ直後ほど「全部一気に変えたくなる」落とし穴
ファーストビュー・フォーム・構成を改善し終えた直後は、勢いで全部まとめて磨き直したくなりがちです。しかし複数箇所を同時に変えると効果測定が曖昧になり、次の投資判断の材料を失ってしまいます。
(補足)ABテストと多変量テストの違いをひとことで
多変量テストは複数要素の組み合わせを同時に検証する手法で、精度を出すにはより多くのアクセス数が必要です。まずはABテストで1つずつ検証するのが現実的です。
LPのABテスト、検証優先順位の決め方|2つの軸でシンプルに判断する
「何から検証すべきか」を考えるときに便利なのが、統計的なスコアリングより、シンプルな2つの軸で仕分ける方法です。
軸1|CVRへのインパクトの大きさ(診断結果でどれだけ離脱要因として指摘されたか)
1つ目の軸は、変更がCVRに与えるインパクトの大きさです。全訪問者が必ず通過する箇所ほど、変更の影響範囲は大きくなります。自社での判断が難しい場合は、離脱要因の診断結果で指摘の多かったカテゴリほどインパクトが大きいと考えてよいでしょう。
軸2|検証・実装のしやすさ(すぐ試せるか、制作コストや時間がかかるか)
2つ目の軸は、その変更をどれだけ手早く実装・検証できるかです。文言の差し替えのように数十分で試せるものもあれば、構成の入れ替えのように工数がかかるものもあります。インパクトが大きくても実装に時間がかかる項目は、後回しにしてよい場合が多いといえます。
2軸マトリクスで「今すぐやる/後で検討する」を仕分ける
この2つの軸を掛け合わせると、検証項目は次の4象限に整理できます。
- インパクト大 × 実装しやすい: 最優先で今すぐ検証する
- インパクト大 × 実装が大変: 計画的に着手時期を決める
- インパクト小 × 実装しやすい: 手が空いたタイミングで試す
- インパクト小 × 実装が大変: 現時点では見送る
LPのABテストで最初に検証すべきは、インパクトが大きく、かつすぐ試せる項目です。自社の支援実績に基づく統計データは保有していませんが、このマトリクス自体は多くの現場で通用する考え方です。
迷ったら「診断チェックリスト」で指摘の多かった順に着手する
自社の優先順位付けに迷ったときは、LPのCVR(コンバージョン率)が低い原因チェックリストのYes/No診断を先に行うのがおすすめです。「いいえ」が多いカテゴリほど、インパクト軸で高スコアの候補と考えられます。
優先順位1位|LPのファーストビューをABテストすべき理由
多くの場合、最初に検証すべきはファーストビューです。全訪問者が必ず最初に目にし、数秒で離脱が決まりやすい箇所だからです。
なぜファーストビューの影響がCVRに直結しやすいのか
最初の数秒で「自分に関係がある」と伝わるかどうかが、離脱を左右する分かれ目になります。訪問者全員が必ず通過する箇所であり、2軸マトリクスの「インパクト大」に該当しやすいポイントです。外部調査(DoubleClick社調査)では「ページ表示から3秒以内に53%が離脱する」という結果も報告されています。弊社独自のデータではありませんが、検証優先度の高さを裏付ける参考情報として紹介しておきます。
ファーストビューで検証すべき代表的な項目(キャッチコピー・メインビジュアル・CTA文言)
代表的な検証項目は次の3つです。
- キャッチコピー: 「誰の、どんな悩みを、どう解決するか」が15〜25文字程度で伝わるか
- メインビジュアル: 訪問者が「自分ごと」として認識できるか
- CTA(行動喚起)ボタンの文言: 次に取ってほしい行動が具体的に伝わるか
作り方・訴求軸の考え方の詳細はこちら
キャッチコピーの作り方やターゲットに刺さる訴求軸の考え方は、LPのファーストビューで離脱されない作り方で詳しく解説しています。
優先順位2位|LPフォーム(EFO)のABテストで離脱を減らす
ファーストビューの次に検証したいのが、問い合わせフォームです。全訪問者には影響しませんが、到達した訪問者の意欲は高く、CVへの影響が直接的です。
フォームの検証がファーストビューの次に位置づけられる理由
フォームは、ファーストビューを突破し、途中の訴求にも納得した訪問者だけが到達する箇所です。母数はファーストビューより少なくなりますが、コンバージョンへの影響は直接的で、実装コストも比較的低く試せる項目が多いのが特徴です。
フォームで検証すべき代表的な項目(入力項目数・入力補助・エラー表示・スマホでの操作感)
代表的な検証項目は次の通りです。
- 入力項目数: 「その情報が無いと初回の返信ができないか」を基準に削れる項目がないか
- 入力補助: 住所自動入力など、入力の手間を減らす仕組みがあるか
- エラー表示: どう直せばよいかまで伝わっているか
- スマホでの操作感: フリック入力やボタンの押しやすさ
EFOの基本の詳細はこちら
入力項目の整理やエラー表示の設計については、問い合わせフォームで離脱されないためのEFOの基本で詳しく解説しています。
優先順位3位|LPの構成・訴求の順番(PASONA)をABテストする
3番目に検証したいのが、LP全体の構成、つまり訴求の並べ方やセクションの順序です。
なぜ構成の検証は部分要素より後回しでよいのか(変更コスト・実装難易度の観点)
入口(ファーストビュー)と出口(フォーム)を磨いても、途中の訴求が背中を押せていなければ離脱は起こります。構成の変更はページ全体に影響するため実装コストが高く、部分要素の検証より後回しでよい判断になりやすいのが実情です。
構成で検証すべき代表的な項目(訴求の並べ方・セクション順序・お客様の声の配置位置)
検証したい代表的な項目は次の通りです。
- 訴求の並べ方: いきなり解決策から入ると警戒心を持たれないか
- セクション順序: 悩み→解決策→根拠→行動喚起の流れが自然か
- 信頼要素の配置位置: 後方に置きすぎて不安を拭えないまま離脱していないか
ストーリー設計の型の詳細はこちら
訴求の並べ方や信頼要素の配置の基本的な型は、LPの構成・訴求の順番の作り方(PASONAの法則)で詳しく解説しています。型は完成形ではなく検証の出発点です。
LPのCTAボタンや社会的証明など、他にもABテストしたい項目が出てきたら
ファーストビュー・フォーム・構成を押さえた後も、気になる検証項目が出てくることがあります。代表的なのがCTAボタンと社会的証明です。
CTAボタンの文言・色・配置の検証ポイント
CTAボタンは次の観点で検証候補が挙がりやすくなります。
- 文言: 「送信する」より「まずは無料相談する」のような具体的な行動がイメージできる表現
- 色: 視線が自然に集まる配色か
- 配置: スクロールせずに目に入る位置に繰り返し配置されているか
実績・お客様の声など社会的証明の見せ方の検証ポイント
社会的証明は訪問者の不安を取り除く役割を持ちます。件数よりも「同じ悩みを抱えていた人が解決した」という共感できるストーリーかを重視するのが一般的です。
これらもH2-2の2軸マトリクスに当てはめて優先順位を決める
CTAボタンや社会的証明も、検証項目が増えたら先の2軸マトリクスに当てはめて優先順位を判断してください。1つずつ順番を決めて着手することが大切です。
アクセスが少ないLPでもできる、ABテストの「簡易的な」始め方
ここまで読んで「うちのLPはアクセス数が少なくて統計的なABテストが回せない」と感じた方も多いのではないでしょうか。地方の中小企業や個人事業主のLPで特によくある悩みです。
統計的に厳密なABテストが回せないのが中小企業・個人事業主の現実
統計的に信頼できる結果を得るには、ある程度まとまったアクセス数とコンバージョン数が必要です。月間アクセスが数百件、コンバージョン数が数件程度のLPでは、判断できるだけのデータがなかなか集まりません。統計的な厳密さを一旦横に置き、期間比較や定性的な判断で代替できる方法があります。
代替案①:期間を区切った「ビフォーアフター比較」
パターンAとBを同時に振り分けるのではなく、「2週間はA」「次の2週間はB」と期間を区切って運用し、CVRを比較する方法です。同時振り分けほどの精度は出ませんが、アクセス数が少なくても大まかな傾向はつかめます。
代替案②:ヒートマップ・録画ツールを併用した定性的な判断
CVRという数値だけでなく、ヒートマップや操作の録画ツールで「どこで離脱・迷っているか」を確認する方法です。次にどこを検証すべきかのヒントが得られます。
無料で始められるツールの選び方(本格的な比較・選定は別記事に譲る旨を明記)
ヒートマップ解析やアクセス解析には無料プランを提供するツールもありますが、料金や機能は変わりやすいため、この記事では特定の製品名や比較は行いません。公式サイトで最新情報を確認し、自社の規模に合うかで選ぶことをおすすめします。詳しい比較は別記事で改めて取り上げる予定です。
LPのABテストを実施する際に守っておきたい最低限のルール
最後に、どの項目を検証する場合にも共通して守っておきたい、最低限のルールを3つ紹介します。
テスト期間の目安(極端に短い判断をしない)
検証期間が短すぎると、たまたま良い結果が出ただけの「偶然」を「効果」と誤認してしまう可能性があります。最低でも1〜2週間、可能であれば1ヶ月程度は期間を確保しましょう。
「偽の勝ち」を避けるための考え方(一時的な差を過信しない)
検証の途中経過で片方が優勢に見えても、そこで早期に判断を確定させるのは避けましょう。検証開始直後の数日だけを見て「Bパターンの勝ち」と結論づけてしまう「偽の勝ち」は、ABテストの落とし穴として特に起こりやすい失敗です。あらかじめ決めた期間・件数まで検証を続けてください。
検証結果は記録して次の施策の判断材料にする
検証が終わったら、結果にかかわらず必ず記録に残しましょう。「何を」「いつ」「どんな結果で」検証したかを蓄積しておくことで、次の判断材料になります。厳密な統計判断が必要な場合は、専門家に相談するのも一つの選択肢です。
まとめ
LPのABテストは、思いついた項目から手当たり次第に進めるのではなく、「インパクト×実装しやすさ」の2軸で優先順位を決めてから、1つずつ検証することが大切です。基本の順番はファーストビュー→フォーム→構成ですが、自社の診断結果次第で入れ替えても構いません。アクセス数が少ない場合も、ビフォーアフター比較やヒートマップの併用といった代替案で検証は続けられます。
私たちウィズマーケティングは、押し売りは一切いたしません。まずは、今のLPの状況や検証で迷っている点をお聞かせください。ファーストビュー・フォーム・構成の作り込みから、その先の検証設計まで、ウェブサイト制作サービスを通じてサポートしています。
よくある質問
ABテストの優先順位を見極め、検証結果を着実に成果へつなげるには伴走できる体制が欠かせません。LP制作からCVR改善まで、私たちのサポート内容をご覧ください。

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[…] しやすい体制(自社対応・外注いずれでも)を選ぶことが重要です。具体的に何から検証すべきかは「LPのABテスト、何から始める?検証すべき項目の優先順位」を参考にしてください。 […]